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Lenovoの「折りたためるスマートフォン」は商品化の期待大。CEATEC JAPAN 2016で見かけた変わり種デバイスをレポート
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印刷2016/10/07 00:00

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Lenovoの「折りたためるスマートフォン」は商品化の期待大。CEATEC JAPAN 2016で見かけた変わり種デバイスをレポート

 「CPS/IoT」を軸としたビジネスソリューション中心の展示会となった「CEATEC JAPAN 2016」(以下,CEATEC)だが,一般消費者が手にする製品の展示が,一切なくなったというわけではない。たとえば,Lenovoやシャープのブースでは,参考出展ではあるものの,興味深いスマートフォンやディスプレイの展示が行われていた。今回はそれらをチェックしつつ,ひどく偏ってはいるが,個人的に気になったモノも紹介したい。


Lenovoが作った折りたためるスマートフォンとリストバンドなスマートフォン


Lenovoブース
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 まずはLenovoのブースから見ていこう。
 Lenovoブースには,2016年9月に発表されたスマートフォン「Moto Z」と「Moto Z Play」(関連記事)に加えて,参考出展として「Folio」と「Cplus」という異色のスマートフォンが展示されていた。
 あくまでも参考出展なので,実際にこのまま製品化に至るかどうかは不明だが,とくにFolioは細かいところまで仕上がっていため,製品化の可能性は高いと思われる。まずは,そのFolioから見ていこう。

これがMEDIAS W。2013年にNTTドコモから発売された
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 NECカシオモバイルコミュニケーションズが開発したスマートフォン「MEDIAS W N-05E」(以下,MEDIAS W)を覚えているだろうか。2枚のディスプレイを有し,開いた状態では1枚のパネルのように,折りたためば普通のスマートフォンのように1画面で操作もできるという,変態端末マニアを引きつける2画面スマートフォンだった。その形から,「屏風」という通称で呼ばれたものだ。
 NECのパソコン部門は,今ではLenovoの傘下となっているわけだが,そのつながりからMEDIAS Wの遺伝子がLenovoに紛れ込み,Folioとして発現のだろうか? そう思いたくなる端末だ。

そしてこれがFolioだ。MEDIAS Wの遺伝子が間違ってLenovoで発現したのか……。なお,曲がっている部分もディスプレイである
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邪魔なものが写り込んでいるが,こちらはFolioの背面。Lenovoの2-in-1ノートPCであるYOGAシリーズにもある,特殊ヒンジのようなものが確認できる
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 Folioの特徴は,MEDIAS Wのように,左右で独立した2枚のディスプレイを使うのではなく,1枚のディスプレイを曲げることで,5.5インチのスマートフォンとしても,7.8インチのタブレットとしても成立しているところにある。この曲がる有機ELディスプレイは「Flexible Display」と呼ばれており,それを使ったFolioは,「Flexible bonding」(曲げられる結合形成体?)なデバイスであるという。
 コンセプトも明快で,「スマートフォンとタブレットを1台ずつ持つのは面倒」だから,1台にしてしまえというわけだ。

 参考出展とはいえ,仕様はある程度固まっている。ディスプレイの解像度は1920×1440ドットで,OSはAndroid(※バージョンは不明)。スマートフォン形態のときに,裏側の表示領域にも情報を表示したり,端末を操作できる「Dual Side Display」なる機能を備えているという。
 また,スマートフォン形態とタブレット形態で異なるUIを搭載しているそうで,動的にUIも変更できるという。説明パネルには「Sidebarで素早い操作が可能」という文言もあったのだが,実際に触れて確認することはできなかった。
 よくよく見てみるとSIMカードスロットもあり,かなり製品を意識したサンプルのようだ。そこで,説明員に聞いてみたところ「市場の反応もあるが出してみたい」とのこと。

Folioの説明パネル
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 普段はスマートフォンとして使い,大きな画面でゲームをプレイしたいときはタブレットに切り換えられるのであれば,ゲーム用途でもメリットになりそうだ。2-in-1 PCのように,テントやフォトスタンドのような形にして横画面時でも自立させることができるので,ワイヤレスゲームパッドでAndroidゲームを遊ぶときにも,便利に使えるかもしれない。
 搭載SoC(System-on-a-Chip)次第ではあるが,このまま製品化に成功すれば,見た目とギミックだけでなく,実用的な利点からも気になる読者はいそうである。

 さて,もう1つの参考出展であるCplusは,変形してスマートウォッチにもなるスマートフォンといったデバイスだ。「スマートフォンとして使わないときは,スマートウォッチになってもいいのではないか」という提案を含むコンセプトモデルなのだという。

Cplusの展示機。薄い板状のデバイスを伸ばせばスマートフォン,曲げればスマートウォッチ(スマートバンド?)になるという,ある意味分かりやすいデバイスだ
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きれいなカーブを描いて曲がっているのではなく,段階的に曲げて円形に近づけているような感じだ
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 ディスプレイは4.35インチサイズで,折り曲げられるFlexible Displayを採用。スマートフォン形態では,かなり縦長のビジュアルで,ディスプレイを外側に曲げていくと,リストバンド形態に変形する。内部には,柔軟に曲がる「Flexible PCB」なる基板を採用しているそうで(※一般的なフレキシブル基板と何が違うのかは不明),写真を見ても分かるように,ボディ部分にはつなぎ目がない。
 腕時計サイズのスマートウォッチよりも巨大となるが,端末をポケットに入れるのではなく手首に巻いておくことで,スマートウォッチよりもアプリを使いやすいデバイスになりそうだ。

Cplusの説明パネル。製品化を意識した様子が見えたFolioに比べると,漠然とした内容で,まだまだ製品化は遠そうに思える
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 Folioと同様に,Cplusも製品化も視野に入れたデバイスという印象を受けたが,説明員の反応を見るに,まだ満足のいくものではないらしい。将来的に,Cplusが原形となった製品が出てくるかもしれないが,このままお蔵入りする可能性も低くはなさそうだった。


自由な形を目指す「フリーフォームディスプレイ」


 液晶パネルや有機ELパネルを使うディスプレイが四角形なのは,製造とコスト面の理由だけでなく,その形状で情報を見ることに我々が慣れているからだと思う。だが,四角形ではないディスプレイも,古くから模索され続けている。とくにシャープは,2014年に「フリーフォームディスプレイ」(Free Form Display)を発表して以降,製品化に向けた様々な取り組みを続けている。シャープブースに出展されていたは,そうした取り組みが製品化に近い段階にまで来ていると,アピールするものだった。

 「Corner R」と呼ばれる5.2インチサイズのスマートフォンは,その名のとおり,四隅の角が丸いスマートフォンだ。単に四隅が丸いだけでなく,額縁ギリギリまで広がった液晶パネルの端も丸いのである。

Corner Rの展示機。正面から見るとほとんど液晶パネルで覆われており,上側左右の角は液晶パネルも丸みを帯びているのが分かるだろう
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 液晶パネル自体は「IGZO液晶」なのだそうだが,その角が丸くなっているのが特徴的である。実機をよく見てみると,本体下端は液晶パネルに覆われていないので,かつてのシャープ製スマートフォンでよく見かけた,いわゆる「3辺狭額縁仕様」の最終形みたいなものだろうか。
 ちなみに,液晶パネルの解像度は1080×1920ドットで,画素密度は425ppiとのことだった。

斜めから見てみると,端まで液晶パネルになっているのがよく分かる(左)。左側面の上側には,USB Micro-B端子があった。右側面には[電源/スリープ]ボタンと音量調整ボタンがある(右)。とはいえ,SIMカードスロットなどは見当たらないので,製品化を前提とした試作機ではなく,純然たる参考出展モデルのようだ
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 とても未来的な印象を受けるビジュアルのスマートフォンなので,いずれ製品化してほしいところだ。

 そのほかにもシャープブースには,円形や楕円系をした液晶パネルや,VR向けという4K解像度の超高ppiパネルなどの展示もあった。すぐに製品が登場するものではないが,いずれはこれらが製品として,我々の手元にやってくるだろう。

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「Oval」と呼ばれる楕円形液晶パネルのデモ機。4.5インチサイズで解像度は1280×720ドット,328ppiとのこと
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こちらは円形液晶パネルのデモ「Circle」。直径は2.5インチで,解像度は824×824ドット,328ppiである

VR HMD向けディスプレイパネルの参考出展。片眼あたり2.87インチサイズで,解像度は1920×2160ドット,両眼合わせて3840×2160ドットにもなる。画素密度は1008ppiとのことで,ドットがまったく気にならないレベル
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27インチサイズで8K解像度(7680×4320ドット),HDR表示にも対応するディスプレイのデモ機(左)。326ppiで最大垂直リフレッシュレートは120Hz,輝度は1000nitとのこと。もちろん参考出展だが,ゲーマーにも喜ばれそうだ。ちなみに,なぜか厚みがすごかった(右)
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ゲームに関係あったりなかったりする,気になったデバイスや展示をまとめて


 ゲーム用途に適したものではないが,技術展示で筆者が面白いと思ったものをまとめて紹介しよう。2015年のCEATECよりも,面白い展示が増えていたように思う。

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ミツミ電機ブースにあった,NVIDIAの車載コンピュータ「DRIVE PX 2」。コネクタにミツミ製品を使っているらしい。車載コンピュータが学習した運転の癖をドライブゲームに反映するなんてことも,将来は可能になるかも
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ロームブースで見かけた「USB Power Delivery」対応の昇降圧充電制御IC。多彩なデバイスに対応できるように,5V,9V,15V,20Vに対応する制御ICをラインナップしている

マイコンソフトが展示していた「XHEAD-2」なるデバイス。HDMI信号を地上デジタル放送(以下,地デジ)の信号(ISDB-T)に変換(※エンコード)できるというものだ。地デジ用のアンテナケーブルがあればHDMI並みの映像を送信できるというものだ。「バトルガレッガ Rev.2016」をデモ映像に使っていたのだが,変換にともなう遅延がかなりあるので,ゲーム用途に適するとは言い難い。イベントでの観戦用ならアリか
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同じくマイコンソフトの個人向けHDMIチェッカー「XPAT-1」。パターンジェネレータやプロトコルアナライザ,ケーブルテスターを統合したものだ。HDMI 2.0の入出力に対応し,YUV4:4:4とRGBモードも備える。価格は未定だが,個人でも購入可能な価格にするとのこと。ディスプレイのレビュー用にいいかもしれない
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テクノ電気工業による水冷コイルのカットモデル(左)。研究施設などでよく見かける電磁石のコイルだが,水冷コイルの線材である「銅ホローコンダクタ」まで見たのは初めてだった。ちなみに,これを使う電磁石は右写真のようなもの。これは「大強度陽子加速器施設」(J-PARC)が一般公開されたときに撮影したもので,電磁石の中央にあるチェンバー周辺に見える茶色の物体が水冷コイルだ
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つくばテクノロジーの小型X線非破壊検査装置「TXR-C1R120PS-01」(左)。スマートフォンやゲームパッドくらいまでは格納できるので,「内部構造を含めたレビューが楽になる」と思ったのだが,価格は約1000万円であるとのこと。デモでは事前に撮影されたものだが,iPhone 7 Plusの内部を表示していた(右)。バッテリーとTaptic Engine,ホームボタンなどが写っており,Taptic Engineと大きさや,ホームボタン裏にスイッチがないことが丸見えである
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CEATEC JAPAN 公式Webサイト

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